
関節リウマチは免疫の異常反応によって起こる自己免疫疾患です。関節の内側を覆っている滑膜に炎症を起こすことで関節の腫れや痛みを生じます。進行すると軟骨や骨が破壊されて日常生活動作に支障をきたすことになります。関節リウマチの原因は完全に分かっていませんが、遺伝やウイルスなどの関与が考えられています。
関節リウマチによく見られる症状
- 起床時に起こる手指関節のこわばり感
- 関節の腫れ、痛み
- 関節の変形、破壊、可動域制限
- 外反母趾や頚椎変形
診察
- 問診
- 症状の発症時期や家族歴、症状の出ている関節について詳しくお話を伺います。
- 画像検査
- 痛みや腫れを起こしている関節のレントゲン写真を撮影します。関節の骨が侵食されていないか、関節破壊が進行していないか、変形の度合いなどをチェックします。また超音波検査で関節滑膜の血流増加を確認します。
- 血液検査
- 血液検査は関節リウマチの診断に重要です。リウマトイド因子や抗CCP抗体を検査します。特に抗CCP抗体は他の病気で陽性になることが少ない検査項目であり、関節リウマチの診断に有効な検査です。その他、炎症の指標となるCRPや関節滑膜の増殖をとらえるMMP-3は関節リウマチの活動性や関節破壊の指標として有用です。
治療
- 薬物治療
- 関節リウマチに対する治療では早期から積極的に抗リウマチ薬を使用するようになっております。また最近は様々な生物学的製剤が承認されており、治療の選択肢が広がっております。
- 抗リウマチ薬
- 生物学的製剤
- ステロイド
- 消炎鎮痛剤
- リハビリテーション
- 関節リウマチに対するリハビリテーションは炎症の程度やリウマチの活動性を目安に行います。活動期には痛みの軽減と変形の予防を目的とします。一方で落ち着いている時期には関節の運動や筋力増強訓練、日常生活訓練などを行います。また手の変形や膝関節破壊に対する装具、外反母趾や扁平足に対するインソールや靴の作成も行います。
最近では関節リウマチでも運動を行うことで体力向上だけでなく、関節破壊を予防できる可能性が報告されており、当院では医師と理学療法士が連携して機能低下を抑えることを目的に行なっております。